相談事例
当事務所で携わった相談事例を以下にご紹介します。
尚こちらの相談事例は実際の内容に加筆・修正をしており、実際の相談内容をそのまま掲載したものではありません。
相続人が24人
ある時、曽祖父の名義のままになっている土地の相続登記をしたいというご依頼がありました。
不動産登記簿を確認すると、最後に登記されたのが明治時代であり、それから相続登記されずに放置されたままということでした。
当事務所で相続人の戸籍を追って調査したところ、相続人の数が24名であることが判明しました。相続人のうち何名かは依頼人と顔見知りということでしたが、それ以外の人たちとは面識がないとのことでした。
依頼人の要望により、面識がない相続人の方たちに当事務所からお手紙を出しました。しかしいつまで経っても返事は来ませんでした。そこで面識がない相続人の一人の方の住所がわかっていましたので、インターネットで検索したところ、電話番号が判明しました。
そこでお電話をして、何とか直接会う約束を取り付け、依頼人立会いの下、相続人の一人の方と話をすることができました。
その相続人の方は他の面識のない相続人の方たちともやり取りがあったようで、その相続人の方が他の相続人に話を通してくれたこともあって、その後の話し合いはスムーズに進めることができました。
この他に相続人の一人の方に成年後見人が選任されていて、その成年後見人の方とまた話し合いをしたりなど、その後も二転三転あったのですが、最終的には依頼人の方単独の相続登記をすることができました。
相続人の一人が刑務所に収監中
ある時、叔母の名義の不動産の相続登記をしたいというご依頼がありました。
その叔母には夫や子が無く、その場合は叔母の兄弟に相続権があることになるのですが、叔母の兄弟の数人は亡くなっており、その場合は代襲相続で兄弟の子(依頼人から見ると従兄弟)に相続権があることになります。
相続人は全国に散らばっており、依頼人の方から相続人全員に手紙を出すことになったのですが、一人の方から返事が来ません。他の相続人の方に聞いたところ、現在刑務所に収監中らしいとのことでした(住所は元に住んでいた住所から移していませんでした)。
ここで問題なのがどこの刑務所にいるのか誰も知らないということでした。こういう場合に電話で問い合わせをしてもなかなか教えてはくれません。そこで居住地近くの刑務所4ヶ所に依頼人から手紙を出したところ、1ヶ所から返事が来て、収監中の刑務所を把握することができました。
遺産分割には各相続人の実印の押印と印鑑証明書の添付が求められますが、刑務所にいては実印も印鑑証明書も取得することができません。 この場合、遺産分割協議書に指印(指先にインクを付けて、書面に押すこと)を押して、それに本人に間違いない旨の刑務所長の奥書をしてもらったものを用意して、これを実印+印鑑証明書の代わりとします。
このケースでも、なかなか思いどおりには進まず時間はかかりましたが、最終的には手続きを完了させることができました。